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「近くのラーメン屋」で選ばれる店になる——Googleマップ10項目の整え方

「Instagramを頑張っているのに、来店につながっている実感がない」。地方の飲食店からよく聞く相談です。その店のGoogleマップを開いてもらうと、原因が一目で分かることが少なくありません。営業時間は「最新情報をご確認ください」、写真は暗い店内が1枚だけ、クチコミへの返信は数年間ゼロ——。

実は、地元客の多くは「美味しいラーメン屋ないかな」と思ったとき、Instagramを開きません。「ラーメン 〇〇駅」「近くのラーメン屋」とGoogleマップで検索します。その瞬間に上位に表示されなければ、いくらフォロワーがいても選ばれない。検索結果に出ない店は、存在していないのと同じです。

しかも、「近くの〇〇」検索の63%が、その日のうちに来店につながると言われます。来店意思がほぼ固まった人が、最後に店を選ぶ場所——それがGoogleマップです。この記事では、Googleマップで選ばれる店になるための「検索順位の3要素」と、整えるべき「10項目」を解説します。

検索順位を決める「関連性・距離・視認性」

Googleは、地図検索の順位を決める要素として「関連性」「距離」「視認性」の3つを公式に挙げています。まずこの3つの性格を理解すると、何に力を入れるべきかが見えてきます。

関連性は、検索キーワードと店の情報がどれだけ合っているかです。「ラーメン 〇〇駅」で検索されたとき、店のカテゴリが「ラーメン店」に設定されていれば関連性は高い。逆にカテゴリが「飲食店」だけで、説明文にもラーメンという言葉がなければ、関連性は低く判定されます。

距離は、検索した人の現在地から店までの物理的な近さです。これは動かせません。ただし、距離で不利な分を、後述する関連性と視認性で補うことはできます。

視認性は、店のオンライン上の存在感です。クチコミの数と評価、写真の充実度、投稿の頻度、ウェブ全体での言及。この視認性こそ、3要素の中で最も改善の余地が大きい部分です。

ここで大事なのは、力の入れどころが業態で変わるという点です。近所の客が中心の店は「距離」で有利なので、関連性と視認性を整えるだけで上位に入りやすい。一方、遠方客が多い観光地型の店は距離で不利なため、クチコミと写真の圧倒的な量、つまり視認性で勝負する必要があります。自店がどちらに近いかで、優先順位は変わります。

整えるべき10項目

検索順位を動かすために、Googleビジネスプロフィール(GBP)で整えるべき項目を10に整理します。

  1. 店舗名——正式名称のみにします。「【絶品醤油ラーメン】麺処まるよし 池袋本店 深夜営業あり」のようにキャッチコピーや地名を詰め込むのは、ガイドライン違反です。最悪の場合ページが表示停止になり、復旧に数週間から数ヶ月かかることもあります。

  2. カテゴリ——メイン1つに加え、サブカテゴリを最大9つ設定できます。ラーメンも出す居酒屋なら、メインを「居酒屋」、サブに「ラーメン店」「定食屋」「テイクアウト」。これで複数の検索にヒットします。

  3. 住所——郵便番号まで正確に。地図上のピンの位置も確認します。特にビルの2階以上にある店は、ピンが1階の別の店を指していることがあります。一度「ナビ開始」を試してください。

  4. 営業時間——最も更新頻度が高く、最も放置されやすい項目です。臨時休業は即時更新を。「来たのに閉まっていた」は、低評価のクチコミに直結します。

  5. 電話番号——店の代表番号を。変更したら、食べログやぐるなび、自社サイトなど全媒体を同時に更新します。

  6. ウェブサイト——自社サイト、なければInstagramのプロフィールを設定します。グルメサイトを設定すると予約時に手数料が発生する場合があり、長期的には自社導線が有利です。

  7. 写真——最低10枚以上を目指します。カバー写真、料理5枚以上、店内、外観。すべてスマートフォン撮影で十分です。

  8. 商品・サービス——メニュー名と価格を登録します。活用している店はまだ少なく、差がつきます。「予算内か」「食べたいものがあるか」が事前に分かると、来店転換率が上がります。

  9. 投稿——GBPにも投稿機能があります。週1回の更新で視認性が向上します。「今週のおすすめ」程度で構いません。

  10. クチコミ対応——良いものにも悪いものにも返信します。返信のタイミングは24〜48時間以内が目安です。

すべてのクチコミに返信してください。良いクチコミにも、悪いクチコミにも。

飲食店デジタルマーケティング実務書(仮題)第4章

写真とクチコミ返信は、数字で効果が裏づけられている

10項目の中でも、写真とクチコミ対応は、効果が具体的に語られています。

写真が10枚以上ある店は、写真が少ない店より閲覧数が約2倍になるとされます。プロのカメラマンは不要です。むしろ「綺麗さ」より「枚数」と「更新頻度」が効くため、スマートフォンで月1回追加していくほうが、完璧な5枚を一度載せて放置するより視認性に寄与します。

クチコミ返信も同様です。「すべてのクチコミに返信している店を選ぶ」と答えた消費者は88%に達するという調査があります。返信は「店が客の声を見ている」というシグナルそのものです。良いクチコミへの一言の御礼が、次の好意的なクチコミを呼ぶこともあります。

そして上位3件に表示される店は、4位以下の店より来店率が約5倍高いとも言われます。10項目の整備は地味な作業ですが、この「約5倍」の枠に入るための土台づくりだと考えると、優先度が見えてくるはずです。

見落としがちな「NAP統一」

10項目を整えたら、最後にもう1つ確認したいことがあります。NAP——店舗名(Name)・住所(Address)・電話番号(Phone)の表記が、全媒体で完全に一致しているかどうかです。

たとえばGoogleマップでは「麺処まるよし」、食べログでは「麺処 まるよし」(スペースあり)、自社サイトでは「麺処マルヨシ」(カタカナ)。この程度の違いでも、Googleが同一店舗だと認識できず、視認性の評価が分散して検索順位が下がることがあります。店舗名・住所・電話番号の表記を、すべての掲載先でそろえてください。

全部を一気にやらなくていい

「10項目を全部やるなんて忙しくて無理」と感じても大丈夫です。一気にやる必要はありません。

まず基本情報(項目1〜6)の誤りを直し、写真を10枚に増やす。これは1時間ほどで、今日中に着手できます。次の1週間で、メニュー登録と、過去のクチコミへのまとめ返信。あとは、写真の月1回追加、投稿の週1回更新、クチコミ返信を継続するだけです。

Googleマップは「情報を載せるだけの場所」ではありません。3要素を意識して10項目を整えるだけで、料理も立地も変えずに、検索された瞬間に選ばれる店へ変わります。検索結果に出ることは、地方の飲食店にとって、もう特別な施策ではなく前提です。

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